【Git】 Gitリポジトリ構築(その2)
手始めに環境の確認を。
サーバ環境
OS: ubuntu 10.04LTS Server
Git: git vertion 1.7.0.4
クライアント環境
OS: ubuntu 12.04LTS Desktop
Git: git version 1.7.9.5
その他、Mac(OS X Lion)とWindowsからも使用予定。
- クライアント環境の準備
- ローカルリポジトリの作成
- ローカルリポジトリへのファイル登録・コミット
- ローカルリポジトリのファイル更新
- ローカルリポジトリのその他の操作
- サーバ環境の準備
- リモートリポジトリ(公開リポジトリ)の作成
- リモートリポジトリのアクセス方法
- ローカルリポジトリからリモートリポジトリへの変更公開
- リモートリポジトリからローカルリポジトリへの変更取り込み
- gitwebの立ち上げ
大体こんな順番ですかね。
その他の複雑な操作は追々...というか書籍とかWebとかマニュアルとかご参照ください。
1. クライアント環境の準備
$ sudo apt-get install git-core
$ git config --global user.name "名前"
$ git config --global user.email "メールアドレス"
$ git config --global color.ui "auto"
クライアント環境はこれ位で十分。
最後の一行はターミナルのカラー表示に関する設定です。
Gitのコマンドオプションはフルの場合が多いので(commitとかcheckoutとか)svnみたいに短縮形が使いたければ、それも設定してください。任意の名前が使えます。
$ git config --global alias.ci "commit"
$ git config --global alias.co "checkout"
$ git config --global alias.st "status"
これらの設定は~/.gitconfigに格納されるので、直接テキストエディタで変更してもOK。
2. ローカルリポジトリの作成
$ mkdir ~/git
$ cd ~/git
$ mkdir project
$ cd project
$ git init
Gitを使って複数のプロジェクトを管理するつもりなので、ワーク用のディレクトリを作成しその中に個別のプロジェクトディレクトリ(ローカルリポジトリ)を作ることにしました。最後の git init コマンドで、projectディレクトリがローカルリポジトリになります。
3. ローカルリポジトリへのファイル登録・コミット
$ touch README
$ git add README
$ git commit -m "コミットログ"
手始めに空っぽのREADMEファイルを作って、コミットしてみました。
Subversionと流れは同じです。addしてからcommitって感じですね。コミット時に-mオプションを省略すると適当なエディタを起動してコミットログを記入できるようになります。
4. ローカルリポジトリのファイル更新
$ vi README
(何か適当にテキストを記入してvi終了)
$ git add README
$ git commit -m "コミットログ"
ここでsvnとの違いが出てきます。
READMEは先程既にaddコマンドで登録したのに、なんでまた?と思いました。
実はGitでは作業領域とローカルリポジトリの間にステージという段階が入っているんですね。変更したファイルは一旦このステージにaddしてからリポジトリにcommitという手順になっているようです。これを一度にやるオプションもあります。
$ git commit -a -m "コミットログ"
このステージの使い方ですが、複数の理由から一気に沢山のファイルを変更した後、それぞれの理由に応じてコミットしたい時などに使えそうです。Subversionの場合はcommit対象のファイルを選択してcomitする必要がありましたが、ステージを使えば整理とコミットを明確に分けることができます。
5. ローカルリポジトリのその他の操作
$ git status (作業領域の状態表示)
$ git diff (ローカルリポジトリと作業領域の差分表示)
$ git log (ローカルリポジトリのコミットログ確認)
$ git log --graph --date-order -C -M (ローカルリポジトリのコミットログのツリー表示)
$ git branch "ブランチ名" (ブランチ切り替え、新規作成)
$ git branch (ローカルリポジトリのブランチ一覧表示)
$ git tag "タグ名" (ローカルリポジトリのタグ設定)
$ git tag (ローカルリポジトリのタグ一覧表示)
$ git checkout (ブランチ・タグの切り替え。svn switchと同等。)
$ git clone "リポジトリ名" (リポジトリのクローン化)
$ git push (ローカルリポジトリの変更をリモートリポジトリにアップロード)
$ git pull (リモートリポジトリの変更をローカルリポジトリにマージ)
$ git help (とりあえず困ったらこれ)
Gitではブランチの使い方が随分ダイナミックになっているようです。頻繁なマージを前提とした分散型の開発が主体になりますね。
6. サーバ環境の準備
ここからサーバ側での作業になります。
$ sudo apt-get install git-core
$ sudo apt-get install git-daemon-run
$ sudo apt-get install gitweb
ついでなんでgitwebパッケージもインストールしておきました。apache2とかの設定は完了している事が前提なので、その辺りご了承ください。あ、あとsshの公開鍵を登録して、パスワード認証をスキップしておくと色々と便利です。
7. リモートリポジトリ(公開リポジトリ)の作成
公開用のリモートリポジトリの作成方法は以下の2つがあります。
- 既存のローカルリポジトリの公開
- サーバ側で新規に公開リポジトリを作成
今回はローカルリポジトリを既に作っているので、これを公開するようにしましたが、一応両方のやりかたを載せておきます。
[ローカルリポジトリの公開](クライアント環境にsshログインできる必要があります)
$ sudo mkdir /git
$ sudo git clone --bare ユーザ名@クライアントIP:~/git/project /git/project.git
$ sudo chown -R gitdaemon:root /git
まず公開リポジトリの本体を格納するディレクトリを作成しました。
その後、--bareオプション付きのcloneコマンドで、クライアント環境にあるローカルリポジトリを公開リポジトリとして複製しています。この時、クライアント側にアクセスするのにsshを使っています。
[サーバ側で新規に公開リポジトリを作成]
$ sudo mkdir /git
$ sudo git init --bare /git/project.git
$ sudo chown -R gitdaemon:root /git
違いはクライアントのリポジトリをクローンしていたのをinitに変更しただけです。公開リポジトリの場合は --bare オプションが必要です。最後のアクセス権変更はgitプロトコルでアクセスした時にリポジトリに書き込めるようにするためです。ubuntuのgit-daemonはディフォルトではgitdaemonユーザ権限で起動するようなので。
最後にdaemonの設定をします。
$ sudo vi /etc/sv/git-daemon/run
最終行を以下のようにしてください。
/usr/lib/git-core/git-daemon --verbose --base-path=/git --export-all --enable=receive-pack
--base-pathは上記公開リポジトリを格納したディレクトリ名です。この設定では/git以下にある公開リポジトリ全てがこのデーモンでアクセスできます。--enable=receive-packというのはgitプロトコルで匿名アクセスでのアップロードを受け付けるための設定です。これが無いとgitプロトコルでのpushができません。
gitwebの設定は/etc/gitweb.confで行います。
$ sudo vi /etc/gitweb.conf
$projectroot = "/git"に変更するのを忘れないように。
7. リモートリポジトリのアクセス方法
クライアント環境からのリモートリポジトリ(公開リポジトリ)へのアクセスには以下の3種類があります。
- gitプロトコル
- ssh経由
- webdav経由
一番手軽で高速なのがgitプロトコルでのアクセスです。ただし匿名アクセスになるので、セキュリティ面でもssh経由を推奨したいですね。今回は両方立ち上げましたけど。webdav経由は不要でしょう。クライアント環境でのそれぞれのアクセス方法は以下の通り。
[Gitプロトコル]
$ git clone git://サーバIP/project.git
[ssh経由]
$ git clone ユーザ名@サーバIP:/git/project.git
それぞれの指定したパスが異なる事に注意してください。
8. ローカルリポジトリからリモートリポジトリへの変更公開
$ git remote add origin git://サーバIP/project.git
$ git push --all
ま、大抵これで何とかなります。ローカルリポジトリの変更内容が全てリモートリポジトリに送信されます。remote addってのはリモートリポジトリのアクセス先(アクセス方法)をエイリアス化したような物です。originってのは特別なリモートリポジトリ名称で、git pushとかのコマンドでリモートリポジトリ名を指定しないとoriginが使われるようです。
9. リモートリポジトリからローカルリポジトリへの変更取り込み
$ git pull master
こっちもこれで大抵なんとかなるかな?originが既に設定されている事を前提としてます。masterというのはsvnで言う所のtrunkという解釈です。masterの代わりにブランチ名を指定すれば、任意のブランチにpullする事ができます。
10. gitwebの立ち上げ
もう設定はしちゃったんで、apache2のrestartさえしていれば、ブラウザで以下にアクセスできるはず。
http://サーバIP/gitweb/
これで/git以下の全公開リポジトリの参照がブラウザから行えます。
アクセス権の設定などはapache2の問題なので、それを参照してください。
設定するファイルは /etc/apache2/conf.d/gitweb です。
競合時のマージの話とか、肝心のブランチの話とかタグの事とか、もっと重要なバックアップを含めた運用方法の提案とか全く書いてないけど、まずは使ってみる事が肝心なので手順だけまとめておきました。後はやってみて、気が向いたら補足していくことにしますかな。
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