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2009年7月の3件の記事

【ubuntu】 mediatomb での asf ファイル再生 with PS3

前回の記事(mediatomb on ubuntu 8.04)で、mediatombのconfig.xmlの変更について書いたんやけど、ファイルの種類が追加されてませんでした。あと、PS3でasfファイル(コーデックはVC-1)を再生しようとすると「破損データ」って表示されちゃう問題がありました。という事で、修正したconfig.xmlを。
修正すべき箇所は、/etc/mediatomb/config.xmlの真ん中あたり。
jpgやらpngやらmpgやらを追加しました。
それから、asfのmimetypeをx-ms-wmvにしました。
asfはコンテナタイプなので、実際には他のコーデックを含める事もできるのやけど、x-ms-asfってmimeをPS3が認識してくれていないので、まぁ致し方なくx-ms-wmvにしたと。とりあえず手持ちのasfファイルは殆どwmvだったので、こういう対応にしたけど、ファイルの拡張子を変更した方が楽かもしれへんなぁ...

      <extension-mimetype ignore-unknown="no">
        <map from="jpg" to="image/jpeg"/>
        <map from="jpeg" to="image/jpeg"/>
        <map from="gif" to="image/gif"/>
        <map from="png" to="image/png"/>
        <map from="m4v" to="video/mp4"/>
        <map from="mp4" to="video/mp4"/>
        <map from="mpg" to="video/mpeg"/>
        <map from="mpeg" to="video/mpeg"/>
        <map from="mp3" to="audio/mpeg"/>
        <map from="ogg" to="application/ogg"/>
        <map from="asf" to="video/x-ms-wmv"/>
        <map from="asx" to="video/x-ms-asf"/>
        <map from="wma" to="audio/x-ms-wma"/>
        <map from="wax" to="audio/x-ms-wax"/>
        <map from="wmv" to="video/x-ms-wmv"/>
        <map from="wvx" to="video/x-ms-wvx"/>
        <map from="wm" to="video/x-ms-wm"/>
        <map from="wmx" to="video/x-ms-wmx"/>
        <map from="m3u" to="audio/x-mpegurl"/>
        <map from="pls" to="audio/x-scpls"/>
        <map from="flv" to="video/x-flv"/>
        <!-- Uncomment the line below for PS3 divx support -->
        <map from="avi" to="video/divx"/>
        <!-- Uncomment the line below for D-Link DSM / ZyXEL DMA-1000 -->
        <!-- <map from="avi" to="video/avi"/> -->
      </extension-mimetype>

【ubuntu】 mediatomb on ubuntu 8.04

別にubuntuだけの話ではないのやけど、我が家のubuntuサーバでmediatombを動かすようにしたのでその設定を覚書き。
以前はCentOSでmediatombを動かして、PS3から音楽やらフォトやらビデオやらを見てました。で、今回はサーバがubuntu 8.04に変わったんで、再設定を。意外と色々はまるもんですなぁ。

以下手順を。

  1. mediatombのインストール
  2. config.xmlの設定
  3. mysqlの設定
  4. コンテンツ登録
  5. MP3 IDタグの文字コード変換

1. のインストールはもうええよね。パッケージマネージャをつかって、mediatombを一式インストールしてくださいな。この時にmysqlもインストールすると後々よろしいです。元々mediatombはsqlite3をバックエンドのDBとして使っているのやけど、sqlite3は遅い。mysqlの方が格段に早いっす。だからmysqlのご使用を強くお勧めしますだ。特に我が家の用にCDが700枚とかって枚数あって、リッピングしたら7000曲にもなった場合はその差が大きいっす。

2. config.xmlの変更やけど、ubuntuのパッケージマネージャでインストールすると、/etc/mediatomb/config.xmlにディフォルトのファイルが作られるはず。このファイルをちょこちょこ〜っと修正します。具体的にはファイル内でPS3用と書かれている箇所を有効にします。

<protocolInfo extend="yes"/>
<map from="avi" to "video/divx"/>

後者はDivXを再生しないのであれば、あんまり関係ないな。
その他の箇所は

    <storage>
      <sqlite3 enabled="no">
        <database-file>sqlite3.db</database-file>
      </sqlite3>
      <mysql enabled="yes">
        <database-file>mediatomb.db</database-file>
        <host>localhost</host>
        <username>mediatomb</username>
        <password>********</password>
        <database>mediatomb</database>
        <port>3306</port>
      </mysql>
    </storage>

この部分。sqlite3をnoにして、mysqlをyesに変更。
usernameとpassword、database、portを必要に応じて設定する。

  <import hidden-files="no">
    <filesystem-charset>UTF-8</filesystem-charset>
    <metadata-charset>CP932</metadata-charset>
    <scripting script-charset="UTF-8">
      <common-script>/usr/share/mediatomb/js/common.js</common-script>
      <playlist-script>/usr/share/mediatomb/js/playlists.js</playlist-script>

さらに日本語が使えるように、filesystem-charsetとmetadata-charsetを設定。
script-charsetはUTF-8にしておかないと正常に動作しないので要注意ですな。
charsetは色々試したけど、結局UTF-8にしておいて後述のEasyTAGで文字コード変換した方がちゃんと日本語表示されるみたいですわ。

3. mysqlの設定。
ubuntuのパッケージマネージャは何やらmysqlの設定もしてくれるんですかねぇ?何かDBができたような気がするのやけど、ここで色々はまったんで、もう手動でやっちゃいました。まずはmysqlをrootで立ち上げて...

$ mysql -u root -p

パスワード聞かれたら、とりあえず空パスを試してみる。パスワード変更してなければ空のはず。
とりあえず、DB一覧を見てみますか。

$ show databases;

最後のセミコロンを忘れずに。
既にmediatombという名前のDBがあったら、それを先に削除しまする。存在しなければこの作業はスキップ。

$ drop database mediatomb;

で、mediatombデータベースを新規に作成して、mediatombユーザにアクセス権限を付与する。

$ create database mediatomb;
$ grant all on mediatomb.* to 'mediatomb'@'localhost';
$ flush privileges;
$ quit

これで一旦mysqlから抜け出ます。
次にmediatomb DBに初期のテーブルを作成しますだ。これはmediatombのパッケージにsqlファイルが含まれているのでそれを使います。ただし、ちょっとだけ修正が必要かもしれない。(僕の場合は必要だった)

$ mysql -u root -p < /usr/share/mediatomb/mysql.sql

これを実行した時に「使用するDBが選択されていない」みたいなエラーが発生する場合は、mysql.sqlファイルをroot権限で開いて、先頭に use mediatomb; という行を追加してくださいな。
無事mysql.sqlでのテーブル作成ができたら完了。

5. コンテンツ登録。
ブラウザで http://サーバ名:49152/にアクセスする。
mediatombの管理画面が表示されるので、「filesystem」を選択した登録したいディレクトリもしくはファイルを選択して右上の+ボタンを押す。○付きの+ボタンを使うと一定時間毎に指定したディレクトリ以下のメディアファイルをスキャンして登録するといった事もできるので便利。

登録が完了すれば、PS3から無事再生できるかを確認する。
うまく動かない場合は、/var/log/mediatomb.log を見て何が起きているかを調べる。
まぁ、大抵はmysqlサーバに接続できなかったとかって表示されると思うんやけど。

6. タグの文字コード変換。
これはちょっとおまけ。上記までで無事再生はできると思うのやけど、メタ情報が文字化けする問題が多発した。
原因は文字コードで、僕の使っていたリッピングツールだとMP3のIDタグがShift_JISでエンコードされてたみたい。でもmediatombではUTF-8を指定していたので文字化けして見れなくなってた。この際なんで、ファイルシステムと同じくUTF-8に変換しようと思った所、EasyTAGというツールを発見しました。
さっそくパッケージマネージャを使って、EasyTAGをインストール。設定画面で、読み込み時の文字コードをShift_JISにして書き込み時の文字コードをUTF-8に設定。この状態でファイルをスキャンして全部書き換えるようにしました。かなり時間かかったけど手間はかからんかったね。これで無事PS3のDLNAクライアント上でも日本語タイトルが表示されるようになりましたっと。

ふぅ、今日は長かったな。

【PS3】 ubuntu 8.10/9.04 on PLAYSTATION3

ubuntu 9.04をPLAYSTATIN3にインストールしてみた。
最初、ubuntu 8.10をインストールしたのやけど、アップデートマネージャで9.04に上げました。メモリ不足もあって、ちょっともたつくけど、とりあえず特に問題なし。CentOSやFedoraなんかよりも起動が早くて良い感じ。これで、SPUのプログラミングもubuntuでできるね。実際には、メインPCでクロス開発する事になると思うけど...。

ちなみに、ubuntu on PLAYSTATION3のインストール方法は以下の通り。
僕は8.10から入れたけど、今は9.04のイメージもあるので、それを使っても同じかと思いまする。メインマシンにはなり得ないけど、とりあえずCellの開発サーバにするつもりやったので、サーバエディションで良いかもしれない。(とは言え、一応デスクトップエディション入れましたダ

  1. パッケージのダウンロード
  2. CDに焼いて...
  3. インストール

で、終わり。
いや、ホンマの話、めっちゃ楽なんすわ。ただし、ちょっとハマりポイントがあるので以下に覚書しときまする。Bluetooth機器とかPS3のコントローラーとか使うためにはもうちょっと手間がかかるみたいやけど、インストールできて、ネットワークつながりゃ良いねんって場合には上記でOK。

パッケージは以下にあります。

ubuntu 8.10
http://cdimage.ubuntu.com/ports/releases/8.10/release/

ubuntu 9.04
http://cdimage.ubuntu.com/ports/releases/9.04/release/

まず、Server Installとするか、Alternate Installするかを決めて、必要なパッケージをダウンロードする。PS3で何か操作するんやなかったら、Server Installで良い気がする。個人的には、PS3はデスクトップではなくてSSH経由で操作するリモート開発マシン(orトランスコーダ)なのでデスクトップは必要なかってんけど、まぁ勢いでAlternate Installを使いました。

次、CDに焼く。
ubuntuならめっちゃ楽。
空のCD(650MB以上必要)をドライブにセットして、上でダウンロードした .iso ファイルを右クリック、CDに書き込む。
しばらくするとホカホカのインストールCDができまする。(我が家のPCでCDを焼くと文字通りホカホカになる... 回転速度のせいか、環境のせいか熱を持つのだよ。)

PS3でその他のOSのパーティションを作っておく。この辺は色々と解説あるんで、そっちをgoogle先生に教えてもらってくださいな。わたしゃ実はPS3の開○者なんで、その辺はちょっとすっ飛ばします.... ちなみに内部データのバックアップをしっかり取っておかないと、後悔しますぜ。というか、バックアップ対象にならないデータもあるから、ホンマは購入直後のPS3で別OS用のパーティションを確保しておいた方が良いね。

ホカホカのCDをPS3にセットして、「本体設定」から「その他のシステムのインストール」を選択。これで、ブートローダーが書き換わる。ちなみに、ここがハマりポイントで、ブートローダーとKernelのバージョンに依存性があるので注意が必要。途中でブート仕様が変わってるんでね。古いブートローダを使って、ubuntu 9.04みたいな新しいkernelを起動しようとすると kboot: でenterを押しても何度も kboot: が表示される(つまり起動しない)問題が発生する。この場合も、一旦XMBに戻ってubuntuのインストールディスクをセットし、「本体設定」から「その他のシステムのインストール」を行えば大丈夫。

さてさて、無事インストーラが起動したら後はメッセージにしたがって入力すれば良し。途中でSATAのRAIDコントローラー使うか?みたいなの聞いてくるけど、そもそもRAIDにする意味ないんで無しの方が良いと思うです。あとキーボードの自動設定は時間がかかる割にハズレが多いみたいやから、手動で設定した方が確実やね。

そんなこんなで、PS3上のubuntu 9.04ですが、一応1分程度で起動するLinuxとなりました。
でも、アプリの起動はめっちゃ重いですなぁ。理由は色々あるのやけど...

理由その1

メインメモリが256MBしかない。
しかもHypervisorに一部をリザーブされる。
PS3にはグラフィック用のメモリ256MBもあるのやけど、これはLinuxでは使用する事ができない。

理由その2

グラフィックのアクセラレーションが利用できない。
その1のグラフィックメモリが使えない件とも被るのやけど、PS3ではLinux向けにグラフィックチップのドライバを公開していない。

理由その3

全てのデバイス操作はHypervisorコールを経由する。
PS3ではHypervisorの上にLinux Kernelが載っているため、基本的に全てのデバイス操作はHypervisorコールを利用しなければならない。つまりシステムコールの先にHypervisorコールがいるため、その分オーバーヘッドが大きい。特にストレージ関係は遅いんちゃうかな?

理由その4

CellのPPUはインオーダーのスーパースカラ型なので、通常のPCのようなアウトオブオーダー型の投機実行ができない。よってパイプラインのストール頻度が高くなる傾向にある。

理由その他

他にも色々あるけど、さすがにここには書けないなぁ。細かい話ではあるけど。とりあえずCell BEのドキュメントを読むと、PS3のプロセッサがなぜそれほど早くないのか良く分かると思う。普通のCore2とかと比べてはイカンのだよ。どちらかというとAtomと比べるべきかな。

ただ〜し、SPUを使うと話は変わってくる。SPUは強力なSIMD型ストリームプロセッサで、これを利用する事で見かけの性能を大幅にアップする事ができる。つまりPS3は汎用コンピュータではなく、やはりあくまで組み込み機器なんですなぁ。かなりプログラマブルではあるけど。

PS3での開発の詳細は、また今度にしよう。

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